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今日も又、朝昼晩と三度に渡ってあなたが来る。
そのお陰でかろうじて大体の時間帯はわかる。
静かに襖を開ける音がする。
「おはよう。優奈。」
そう言って笑うのは藤堂平助君。
「お…はよう。」
震える声を圧し殺しぎこちない笑顔を顔に浮かべる。
平助君は満足したのか笑って、入って来た時と同じように静かに襖を閉めて、こちらへと歩を進める。
そして、持っていたお握りが入った風呂敷を私の前に広げる。
私はそのお握りに手を伸ばし、口へ運ぶ。
毎日、同じ事の繰り返し。
平助君は喋る事もなく、ただ笑って私を見ている。
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