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木々が所狭しと生い茂る廃墟の中、少年と少女が走っていた。
少年は二本の小さな剣を逆手に持ち、少女は何も持たずただひたすらに。
階段を登り、木々を潜り、扉を蹴破り。
「ダスク!まだ着かないの!?」
前を走る少年に向かい、少女が叫ぶ。
「あと少しだ!
それより、あいつはまだ来ていないんだろうな!?」
断裂した床を飛び越え、ダスクと呼ばれた少年は焦りが染み出た声で返事をする。
「大丈夫!
適当な所で細工をしてるし、私の眼には何も映ってないから!」
同じように飛び越え、返事。
ダスクは「そうか、ならいい」とだけ返事し、目的地へと足を速める。
地面を蹴り、壁を蹴り、既に道ではなくなった通路を進む。
目的の部屋まで、あと少し。という所だった。
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