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「ふ……くあぁ……」
朝日に当てられ、長身の青年が目を覚ます。
大きく身体を伸ばし、脳を含めた全身が活発に動き始める。
……はずなのだが、青年は少し寝起きが悪く一回や二回の伸びでは完全に覚醒することはない。
窓を開け、その足で洗面台へと移動する。
そしてボーッとしながら蛇口を捻り、冷たい水を垂れ流し手にすくう。
それをバシャバシャと顔に当て、完全に覚醒する。
「あー……、なんか変な夢を見た気がする」
水で濡らした櫛を使い、寝癖のついた髪の毛を整えながらぼやく。
「ん、どんな?」
「鳴牙がボロボロの建物でちっちゃい女の子と走ってる夢。
いや、鳴牙とは違ったな。短パンだったしノースリーブだったし。あいつはあんな服持ってない」
「ああ、その夢なら俺も見たぞ。俺もあんな服があったら着るんだがな。ほら、タオルだ」
「そうなのか。サンキュ……っておい」
青年とは体格の全く違う少年がタオルを青年の肩に投げ
それが上手くいくと同時に青年が少年の頭を鷲掴みにする。
「痛い痛い痛い痛い、何すんだやめろお前」
そのまま青年に軽く持ち上げられ、少年が悲鳴と抗議の声を上げる。
「こっちの方が何してんだって言いたいんだが?」
少々ドスを聞かせ、少年に声をかける。
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