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「猫なんです……」
「猫……ですか?」
女の子の頭に手を乗せたまま、オウム返しに聞き返してきたマスターの方を見る。
「飼い猫というわけでも無く、家の庭に入り込んだのに餌をやったら居着いた。
というのが正しい猫だったらしいんですが、自分としては物心ついた時からいた兄弟みたいな猫でして。
寝るときも遊ぶときも一緒、そんなあいつが一週間前に出て行ったきり戻って来ないんです。」
話してなんになると思った。それでも言葉は溢れるようにこぼれ落ちていた。
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