1匹目『それは、ヒトのように……』

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「いいや、いいんだよ」 そういったところでふと外が暗くなっている事に気づく。 「うわ、いつの間にかこんなに暗くなっていたんですね。そろそろ帰らないと」 「もうお帰りですか?」 「はい、ずいぶんお邪魔してしまったみたいで」 「いえいえ、ここの日は少し短いですから」 そう言ってマスターはいたずらっぽく笑う。 「おいくらでしょうか?」 「お代はけっこうですよ」 「え?でも……」 「色々とお話も聞かせていただきましたので」 そういって微笑むマスターの顔を見ていると気を使わせてしまっているのに無理に支払うのも悪い気がしてきた。
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