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「じゃあまた寄らせてもらいますね」
「はい、お待ちしております」
荷物を持ってドアまでいくとマスターと女の子がわざわざドアの前まで見送りに来る。また来よう。そう思ってドアを開けると後ろから女の子が声をかけてくる。
「あ、あの! 竜さん幸せだったと思いますよ。きっと! 小さい頃から達也さんの事を実の弟のように可愛く思っていたと思います! 少しくらい髭を引っ張られたり、強く抱きしめられるくらいなら嬉しいくらいだと思います! きっと竜さん自慢の飼い主だった! 家族だったと思いますから! あまり思いつめないで下さい!」
それは願いのような、まるで竜から聞いたかのようなその話は、例え気休めで言ってくれたものだったとしても、自分で自分を許していいんだと思うには十分なものだった。
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