1匹目『それは、ヒトのように……』

4/20
前へ
/20ページ
次へ
目の前にはドアがあった。 足元の看板には「喫茶店cat」の字。 どうやら喫茶店らしいがこの辺に喫茶店なんてあっただろうか?と周りを見回してみると見覚えのない風景が目に入ってくる。 店の横は長い上り階段になっていて階段の途中途中で小さな路地へと繋がっているようだ。 階段の終わりにはレンガ作りのアーチが掛かっていてまるで空を切り取った絵画のようだった。 フラフラと歩いているうちに知らない場所に来てしまったのか? とりあえず自分の知っている場所に戻るためにも、喉の渇きを潤すためにも一度喫茶店に入って休憩をとったほうが良さそうだ。 木製のドアには装飾ガラスがステンドグラスのようにはめ込まれている。中から見たら色とりどりの光を映すことだろう。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加