1匹目『それは、ヒトのように……』

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するとそのやりとりに反応したのか奥から小学校3、4年生程度の女の子が小走りでやってくる。とはいえ5、6歩の距離ではあるが。 「いらっしゃいませ」 その少女は黒い服に黒いマフラーを巻き、胸に丸いお盆を抱えて深々と頭を下げた。 この暑い時期にマフラー? という疑問は直後に消え失せることになる。 その少女が上げた頭には、なんと猫耳が乗っていたのだ。 「ネコ‥‥‥ミミ?」 「お客様、お一人ですか?こちらのカウンター席へどうぞ」 その少女から視線が離せないまま、言われた通りに席に着く。
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