1匹目『それは、ヒトのように……』

7/20
前へ
/20ページ
次へ
「アイスコーヒーを」 何か頼まなくてはとそれだけをどうにか搾り出すとカウンターから「申し訳ございません」とすまなそうに声をかけられる。 「あいにく当店ではアイスミルクしかお取り扱いがないんです」 アイスミルクしかお取り扱いがない?それは変わっているがやはりこの子の方が変わっている。 夏にマフラー 頭に猫耳 お尻に尻尾 目は水色 なかなかに見慣れない不思議な格好をしている。 最近は猫喫茶やコスプレ喫茶なんてのもあるぐらいだし、もしかしたらこの店もそういう趣旨の店なのかもしれない。 なんとか「じゃあそれで」とだけ返すと少女は 「はい、かしこまりました。マスター、アイスミルク ワンプリーズです!」 と明るく男性にオーダーを通す。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加