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マスターと呼ばれた男性は「はい。」と静かに答えると手際よく、しかし、静かに氷をグラスに入れていく。
それにしても変わった店だ。外装は普通で内装も普通なのにウエイトレスは猫耳に猫尻尾だし。
メニューはアイスミルクしかないという。
もう一度店内を見回してみても特に変わったところはない。
「お客様、失礼ですが、始めてお見受けすると思うのですが、良くこの辺にはいらっしゃるのですか?」
マスターがコースターを出し、その上に静かにコップを置く、中には氷が浮いた冷たそうなミルクが注がれている。
「いいえ、初めてで迷ってしまったところだったんですよ」
俺が今まで肩にかけたまま忘れていたスポーツバックを下ろそうとすると、先ほどの少女がカゴを持ってやってくる。いつも地面においているものなので今更気にも止めないのだが勧められたので素直に入れることにした。
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