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久々に踏み入れた二年の校舎は、二年前とは違って綺麗になっていた。どんな風に、と言われればなんとも言えないが、なんとなくすっきりしていた。 まだ放課後も浅く、人通りも多い。まだなっちゃんは教室にいるかもしれない。武井はそっとドアをスライドした。 「なっちゃんいますかぁー?」 急に静まり返る教室。机に座った数人の男子が訝しげに僕を睨んでいる。こそこそとあらゆるグループで囁かれ、机の上の男子が「夏目!」と叫んだ。 奥の方から小柄な女の子が小走りで僕の元にやってくる。とても可愛い。ぶっちゃけドストライクの領域に入る顔だが、壮絶なまでに内股。内股だったりがに股だったりしたら内また子とかがにまた男とかいったりするけど、まさにこの子が内また子と呼べるほどに内股だ。 「あの、なにか…?」 「ここでは話しにくいことだから向こう行こう」 「あ、はいっ」 後ろでは「また告白」だの「夏目これで今月二桁目じゃね?」などと話に花を咲かせている。残念、そんな話じゃないしもう萎えてるからあり得ない。内股はねぇ…。 「どっか人通り少ないとこあるかな?」 「屋上付近は少ないと思います」 「じゃ、行こ」 二年の校舎に別れを告げて階段を上る。最近すぐに膝がキて辛い。運動不足なのか、そうなのか。息切れもするし怠惰な疲労感もある。…関節炎…?…いやいやまさかね…。 「一回病院行くか…」 「え?」 「いや、こっちの話」 「はぁ…」 三年の校舎も通りすぎてさらに上へ行く。そっと尻目に見るとなっちゃんはごく普通に歩いていた。僕女の子に負けてる…。 …いや!でも根本的には男子の俺の方が体力あるんだから!大丈夫だし!負けねぇし! .
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