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「あー…きっつい…」
「大丈夫ですか?」
「うん、平気、全然平気」
しゃがみこむ僕に目線を合わせて、少し上目遣いに覗き込む。思わずドキッてなったけど、思い出せ、なっちゃんは内また子だ!
「えーと、なっちゃ…いや、夏目さん…?だよね」
「はい」
「武井純って言います。今日は夏目さんに用事があって、」
「いいですよ」
「へ?」
「これ告白ですよね?いいですよ」
「…はい?」
「先輩カッコいいしどっちかっていうとタイプです。だから付き合ってあげてもいいですよって言ってるんです」
バッグに手を突っ込んだまま思考が、というか体そのものが固まる。当のなっちゃんは僕の目をじぃっと見て、口許は緩く開いていた。
「………ごめんなさい」
なんとか絞り出した声は蚊の鳴くような声で震えている。
「え?」
「ごっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃ!」
頭の中が混乱して気が付けば走り出していた。意味も分からず謝罪の言葉をぶち撒いて、転げそうになりながら階段を降りる。
え?今何が起きた?告白?こくは…
…告白!?
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