ヤンデレ~姫宮咲妃~

2/4
60人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
姫宮咲妃 ひめみや さき 彼女を一言で言えば、八方美人で周りは納得するだろう。 腰までの艶やかな髪 少し下がって目尻は顔立ちを優しく写す。 右の泣きホクロはチャーミングポイントとしていいだろう。 女性の象徴は少し乏しいが、それを補って余りある容姿に加え、成績は上から数えた方が早いほどの秀才。 ただ一点。 全てを台無しにしてしまう欠点がある。 「うん?どうしたの?」 可愛いとしか言いようのない笑みだったのだが、いきなり覗き込まれた俺はビクッと肩を跳ねさせて「何でもないよ」と口にするが、咲妃は「ふ~ん」と口にしながら、俺がぼーっとしていたときに向いていた方に目を細めた。 その先に入るのは、二人の女性が露出の多めな服を纏って楽しそうに歩いている姿 「・・・ちょっと、ここで待っててくれない?」 「お前が、ちょっと待て!?その右手の獲物は何だ!?」 「え?刺身包丁だけど?」 「何でそんなの持ってんだよ!」 「え?何でって・・・貴方の視界に入った害虫を処理する為じゃない。分かってるクセに」 こ、コイツは・・・ 淀んで光沢の無い瞳で満面の笑顔を向けんでくれ 「じゃ、ちょっと行ってくるから、先に行っちゃったりしちゃヤダからね」 可愛い仕草と裏腹にギラリと冷たい光を放つ右手の獲物に、俺は慌てて手を掴んだ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!