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「ねぇ、聞かないの?」
「何を?」
突然、梶くんが発した質問の意図がわからなかった。
「ふーん。分からないんだぁ?じゃあ、質問を変えるね。今から俺の家に来ない?」
「は?私彼氏居るんだよ?何いってんの?」
「うん、知ってる。」
彼は短くそう言うと、キスをしてきた。
突然だった為、何が起こったか状況を把握出来てなくて、眼を見開いたままだ。
「眼閉じて。」
言われるがままに閉じると、わざと音をたてて何度もキスをした。
彼の舌が下唇をなぞり口内に入ってくる。
私はそれを受け入れ、噛みつくかれるような激しいキスに精一杯答えた。
もう、何が何だか分かんなくなって頭が真っ白になる。
ようやく、唇が離れると何だか寂しい気がした。
もっと欲しいと望む自分がいた。
それと同時に、彼に対する罪悪感が一気に押し寄せる。
今なら、まだ引き返せる。
これ以上は駄目。
「俺ん家来たら続きしよ?」
その言葉に、揺れた。
最近、彼と半年は交わっていない。
好きとか、そう言う気持ちはないと言えば違うけど……
ただ一緒に居るのが当然みたいな感じになってて。
今、彼といるのは情があるからだろう。
でも、まだ私は自分で言うのはなんだけど若い。
まだ女の子で居たい。
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