いち

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「ねぇ、聞かないの?」 「何を?」 突然、梶くんが発した質問の意図がわからなかった。 「ふーん。分からないんだぁ?じゃあ、質問を変えるね。今から俺の家に来ない?」 「は?私彼氏居るんだよ?何いってんの?」 「うん、知ってる。」 彼は短くそう言うと、キスをしてきた。 突然だった為、何が起こったか状況を把握出来てなくて、眼を見開いたままだ。 「眼閉じて。」 言われるがままに閉じると、わざと音をたてて何度もキスをした。 彼の舌が下唇をなぞり口内に入ってくる。 私はそれを受け入れ、噛みつくかれるような激しいキスに精一杯答えた。 もう、何が何だか分かんなくなって頭が真っ白になる。 ようやく、唇が離れると何だか寂しい気がした。 もっと欲しいと望む自分がいた。 それと同時に、彼に対する罪悪感が一気に押し寄せる。 今なら、まだ引き返せる。 これ以上は駄目。 「俺ん家来たら続きしよ?」 その言葉に、揺れた。 最近、彼と半年は交わっていない。 好きとか、そう言う気持ちはないと言えば違うけど…… ただ一緒に居るのが当然みたいな感じになってて。 今、彼といるのは情があるからだろう。 でも、まだ私は自分で言うのはなんだけど若い。 まだ女の子で居たい。
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