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最初に感じた印象の悪さは、今でも全く変わってはいない。
基本的に、周りに迷惑をかけるような人は嫌いだが、友達と楽しそうに笑っている人は好きだ。
この彼は、双方を兼ね備えている為、“気になる”が“好き”に変わらない理由と言えるだろう。
出会ってすぐにそう思った為、先程のありきたりなきっかけでもいいから、嫌な一面を持ち合わせていても気にならなくなるような“何か”を期待して……早一年。
彼を気にしてチラチラ見ても、一度も目が合ったことはない。
これだけ時が経っても何も起こらないということは、彼にとって私は“その対象”ではない。
けれど、私にとってはこの期間中、彼が気になっていたわけだ。
これはもう、恋をしているのではないか? それも、片思い。
私は、それを認めたくなかったのだろう。だから何だかんだ理由をつけて、否定しようとした。
しかしもう、認めざるを得ないようだ。バスに乗り合わせる度に、目で追ってしまうのだから。
……何だか、負けた気分。
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