否定する女

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 私は少し、否定的だ。  大学に向かうバスの中に、最近気になっている男の子がいた。  彼は髪の毛を明るく染め、服装も今時の洒落た格好で、周りにいる友達といつも騒いでいる。  他の乗客の迷惑もかえりみずに大声で笑ったり、盛り上がりすぎて周りの人にぶつかったり。  最初の印象は、最悪だった。  ありきたりな話だが、ある雨の日に、バス停付近に捨てられていた子猫がいて、自分が濡れることなど気にせずに、傘を差し出してあげるような優しい一面を見た。  ……なんてことはなく。  彼が気になったきっかけは、いつもは友達と騒いでいるのだが、たまたま一人でバスに乗っている時にふと見せた、寂しげな表情。  ……でもなく。  ただ単に、気になるのだ。  きっかけがあるわけではない。  騒ぐ中心だから? ……違う。  髪が目立つから? ……違う。  苦手なタイプ?  ……違う。  じゃあ、好きなタイプ?  …………微妙。
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