第一章ー副作用ー

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ユウ「……疲れた」ハアハア 悠はケルビの暖かい毛皮を利用して簡単な衣を作った。 やはりなにも持たない人間はケルビ相手でも少々苦労する。 男のときと違い力も体力もそんなにない。 せめてグリーブ(籠足)が有れば蹴りで早いのだが……。 ユウ「この体ちょっと都合悪いな…」 悠は最早女になった事を実感していた。 力が弱くなった他にも違和感がある。 特に胸まわりが…。 動くだけで何か上下に揺れて痛いし、止まっていても肩こるし、重いし、無かったら無かったで何か変だし……。 昔女になりたいって思った事もあるけど、ハンターなら男の方が断然良いな、うん。 悠(女)の容姿はワイルドファンゴの黒髪、前髪がちょっと出ている感じだ。 元気のいい運動系女子を連想させる。 ユウ「はあ……この先どうしよ…」 悠はこの後の事を考える。 まず、ギルドマスターを殴……いや、見ず知らずの女がそんな行動は突発だ。 皆に女になったことを伝えるか? …信じて貰えないだろうな。 下手したら大事になる可能性さえある。 そんなのは嫌だ。面倒臭い。 …とりあえずユクモ村へ帰ろうか? でもこの格好では無理だな。 うーん…………。 色々と考えていると、ある気配を感じる。 ……モンスターか? 小型モンスターでもこの格好じゃキツい。 まだ傷も癒えてない。 体力が無くなってしまったら、今度こそジエンドだ。 丁度良く側にあった長草の茂みに身を潜める。 ガサガサガサ…… 森の中から来たのは二匹のアイルーとユクモ道着のハンターだった。
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