第一章ー副作用ー

7/9
前へ
/24ページ
次へ
ソツ「…あの、さ…アテが無いんだったら素質あるみたいだし、狩人として生活やってみない?もしかしたら記憶が戻るかもしれないし…ギルドマスターには私から言ってみるからさ、ね?」 …………ふむ。 これなら理由もつく。 また始めからだけど…気分転換だと思ったら…ね。 カズハ「お願い……します」 ソツ「そんなに畏まらなくてもいいよ」ニコッ カズハ(あ、笑った……) 「旦那さ~ん、早く行くニャよー!」 「言われなくてもわかってるってば!」 「はははは………」 一葉はソツに連れられて、二人と二匹は渓流を歩く。 ユクモ村へ目指して。 渓流に風が吹き、沢山の木々から木の葉が舞う。 その木の葉が地面へ落ちきる頃、彼女達の姿は見えなくなったー。 ーーーーーーーーーーーーーー ユクモ村ー。 ソツ「ん?何だか村が騒がしいね」 嫌な予感がした。うん絶対。 何かとてつもなく大事になっていそうな雰囲気。 そしてそれは当たっていた。 中央には人が集まっていて、何やらチラシを読んでいる。 地面に落ちていたチラシをソツが手にする。 ソツ「うっわ……可哀想に……」 カズハ「何が書いてあんの?」 ソツ「ここの熟練ハンターが行方不明だってさ」 うん、それって俺の事です本当にありがとうございましたまる。 ソツ「詳しくはこう書かれてる……あるハンターが嵐龍を討伐しに向かったが、帰ってこず、捜索隊を向わせたところ、渓流の近くの河でそのハンターの持っていたとされている武器と鎧が見つかったんだって…近くにそのハンターの遺体は無かったが、亡くなった可能性が大ということの事……」 村人「…………ヒソヒソ」 カズハ「…………」 ソツ「ん?渓流?」 ソツは肩を貸している一葉を見つめる。 ソツ「もしかして貴女が……」 …バレるかな? ソツ「……じゃないよね、この記事には男って書いてるし……」 良かった、気のせいだった。 ソツ「あ、ほら!あれがギルドだよ!」ビシッ カズハ(そんな指差さんでも……) 村の長い階段の頂上にある大きな建築物……温泉と併合しているギルドだ。 ソツ「ちょっとここで待っててね、貴女の事情とハンター手続きしてくるから」 ソツはそう言って中に入っていった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加