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ソツ「…あの、さ…アテが無いんだったら素質あるみたいだし、狩人として生活やってみない?もしかしたら記憶が戻るかもしれないし…ギルドマスターには私から言ってみるからさ、ね?」
…………ふむ。
これなら理由もつく。
また始めからだけど…気分転換だと思ったら…ね。
カズハ「お願い……します」
ソツ「そんなに畏まらなくてもいいよ」ニコッ
カズハ(あ、笑った……)
「旦那さ~ん、早く行くニャよー!」
「言われなくてもわかってるってば!」
「はははは………」
一葉はソツに連れられて、二人と二匹は渓流を歩く。
ユクモ村へ目指して。
渓流に風が吹き、沢山の木々から木の葉が舞う。
その木の葉が地面へ落ちきる頃、彼女達の姿は見えなくなったー。
ーーーーーーーーーーーーーー
ユクモ村ー。
ソツ「ん?何だか村が騒がしいね」
嫌な予感がした。うん絶対。
何かとてつもなく大事になっていそうな雰囲気。
そしてそれは当たっていた。
中央には人が集まっていて、何やらチラシを読んでいる。
地面に落ちていたチラシをソツが手にする。
ソツ「うっわ……可哀想に……」
カズハ「何が書いてあんの?」
ソツ「ここの熟練ハンターが行方不明だってさ」
うん、それって俺の事です本当にありがとうございましたまる。
ソツ「詳しくはこう書かれてる……あるハンターが嵐龍を討伐しに向かったが、帰ってこず、捜索隊を向わせたところ、渓流の近くの河でそのハンターの持っていたとされている武器と鎧が見つかったんだって…近くにそのハンターの遺体は無かったが、亡くなった可能性が大ということの事……」
村人「…………ヒソヒソ」
カズハ「…………」
ソツ「ん?渓流?」
ソツは肩を貸している一葉を見つめる。
ソツ「もしかして貴女が……」
…バレるかな?
ソツ「……じゃないよね、この記事には男って書いてるし……」
良かった、気のせいだった。
ソツ「あ、ほら!あれがギルドだよ!」ビシッ
カズハ(そんな指差さんでも……)
村の長い階段の頂上にある大きな建築物……温泉と併合しているギルドだ。
ソツ「ちょっとここで待っててね、貴女の事情とハンター手続きしてくるから」
ソツはそう言って中に入っていった。
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