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悠「マスターこれすげぇよ!あんた天才!…ヤベ、テンション上がっちまった 平常心平常心と……」フウ
狩りの前に興奮してしまうのは命取りとなってしまう。
興奮すれば冷静な状況判断能力や、視野が低下してしまうからだ。
数回深く深呼吸をし、呼吸を整える。
悠「うん、落ち着いた…帰ったらこれの調合法(ギマさんに)教えて貰おうかな?」
そして体を少しほぐしてから嵐龍に挑むため、決戦の場を移した。
外は荒ぶる風が吹き、空は曇天…。
雨が身体に打ち付けるように降り、青白い雷が雲から覗かせる。
場所は高い岩の柱の頂上で、崖からは下が見えないほどの霧がかかっている。
悠「……っと」
さっきの洞窟から上まで登ってきた悠は一息をつく。
見渡せば観測船の残骸以外何もない。
しかしここは奴の縄張りだ。
一時も気が抜けない。
滴る汗が緊張を表す。
キュウンクワァンクワァン!!!!
突如天からの咆哮。
即座に上を見上げる。
降りてくるのは白い巨躯の龍。
身体中に風が舞い、垂れている皮がゆらゆらと揺れる。
角は凛々しく天を向き、隼眼の瞳を此方へ向ける。
悠(嵐在る所にアマツマガツチ有り…か…)
悠は太刀を取り出していた。
これから起こる激戦に供えてー。
悠(何回もアマツマガツチには挑んだことはあるが…強いな、コイツ……)
武器を握る手に力が入る。
嵐龍が目の前に浮かび、眼が合う。
悠(…今は負ける気がしない!)
嵐龍の咆哮が戦いの始まりだった―。
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