侍女と色男

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「イレーヌ様は瞳の色に合わせ、青にしてみんした。いかがでありんしょう?」  椿はにっこりと笑いながら、にこりともしないイレーヌをレティシアに紹介する。  イレーヌに笑顔がないのは、馴れない服装だからだろうか? 「可愛い……!」 「レティシア様もそう思いんすか?あちきも当初色に悩みんしたが、髪が黒いので大丈夫であろうと」 「それでいて瞳が青いから異国の色を入れていて……。なんというか、アンバランスの魅力!」  椿とレティシアはきゃあきゃあ言って楽しみながら結い上げたイレーヌの髪に簪をさしていく。  青い着物を着たイレーヌは花魁の姿にされている。  そんな主と主の友人の間で本人は、 「もしもの時戦えないので、早く脱ぎたいです……」  懇願してみたが、もはやスイッチの入った二人に抗う術はなかった。 「じゃあ次は……」  イレーヌの受難はまだまだ続く。      ‥†*†‥  なんで我〔わたし〕はここにいるのでしょうか?  座敷の上に正座をさせられて、何故知らない男性に酌をしているのでしょうか?レティシア様にしかしたくないんですが。
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