侍女と色男

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     ‥†*†‥  端から見たらさぞや似合いの二人だろう。  青い瞳の美しい女郎と、後ろ姿を見ただけで、くらくらするのではないかというような色男。  しかし実際は違う。  女郎は鋭い視線で男を射抜いていた。男はそれに対し、余裕綽々というように流し目さえしてみせる。 「で?」  先に口を開いたのは女郎……イレーヌだった。 「ん?そう怖い顔するもんじゃねぇよ」  せっかくの顔が台無しだ、と言いながら甘く笑う。それにイレーヌは遠慮なく眉根を寄せた。 「わーってるよ。おまえのことは知ってる。ずっと見てたからな」 「世に言うストーカーでありんしたか、わかりんし」 「違ぇよ」  煙管をずいっとこちらへ向けられてイレーヌはこれまた遠慮なく鼻をふさいだ。  臭い。 「あんたとあんたの主見てたんだよ」 「やっぱりストーカー」 「いい加減そこから離れろ」  今度こそ言い切ったイレーヌに男は頭を抱える。  イレーヌは一つ、大きなため息をついた。この男は少なくともギルティではないだろう。しかし魔力を感じる。それなりの強さだ。
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