高貴と守護

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高貴と守護

あれから絡まった髪を解いてる間に彼は戻ってきて、ほんの数分の間だったが 「ねぇ?片づけてきたよ。僕に君の名前を教えてくれたら嬉しいな?」 と、小首を傾げながらにっこりとした笑顔で聞いてきた。 人間の返り血を浴びて真っ赤に染まった鬼特有の長い爪を舐めながら・・・。 「何故だ?貴様ら鬼は私を喰いたいのだろう? いつもならお前たちは、その汚らわしい目で舐めまわすように眺め 恐怖を与え涙の一滴さえ残らぬまで吸い尽くすではないか ・・・・そうだ私達は貴様らの餌でしかない・・・名前など・・・・」 俯き気味で前半は一気に段々ゆっくりと、最後は掠れたような吐息混じりで 話す。 「顔を上げてよ。君の顔が見たいんんだけど・・・」 その言葉にアリスは顔を上げ、睨むように目線を投げ 「ふん。品定めか?まぁいい、さっさと喰らえ。私の身体を一滴残さず 吸い尽くせばいいだろう。」 対峙する鬼に窮地な状態であるにも関わらず目を逸らさず話す彼女に彼は 「僕は君を食べない。君と話がしたい。一緒にいたい。 あ。でも飢えない程度に少しだけでいい、君が欲しい。 僕は君をすべてから守ろう。君を傷つけるもの達から。」 彼も目を逸らさずそう言うと膝を付き、真っ赤な舌を出しアリスの指先を味見するかのように舐め 「やっぱり君は極上に甘いね。君の名前を教えてくれる?」 と再び問いかけた 「鬼の中にもおかしなモノもいるものだな。餌を守りたいなどどはな。 いいだろう私の名はアリスだ。お前の名はなんだ?」 「僕の名はエドワードだ」というと彼は少しはにかむように笑った。 「なんだ?」と訝しげに問うアリスにエドワードは 「ごめん。笑うつもりじゃなかったんだ、ただアリスって名前が。 高貴なるって意味だろう?君の見た目も口ぶりもぴったりだとおもってね」 馬鹿にされたと思ったのかアリスは顔を赤らめ 「お前の名はエドワードだろう?その名は守護者という意味もあるな。 ぴったりじゃないか。 お前は今から私の騎士だからな。」 と、自分に指を味合わせるかのように少しだけエドワードの舌に這わせた。
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