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平日ということもあって、オープンカフェのウエイトレスが暇そうに佇んでいる他、周囲にはゆいり以外に客はいない。
いや、ひとりいた。
デッキの端のほう――手摺に体をあずけ、音もなく飛び交うタチャームを見ている、年の頃は十三、四ぐらいの少女。短い髪のため、あどけなさの残る横顔が遠くからでもよくわかった。グレイのパーカーを着て、ジーンズの裾を折り曲げていた。
普通なら学校へ行っている時間のはずだと、ふと思ったが、学校の制服を着ているわけでなし、深くは考えない。自分には関係ないことだ。
手首をひねって時計を見る。あと一〇分。そろそろ行こう。
ゆいりはきびすを返した。ウッドデッキにヒールを鳴らしながら、屋内へと入っていった。
いつもの暖かい部屋へ入ると、受付で来訪目的を告げる。
すぐにオーパム人担当官が奥のコンソールからやって来た。例によって先日の担当官かどうか区別がつかなかった。
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