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どう見ても仕事仲間といったメンツではなく、こんな構成で仕事が上手くいくのか怪しかった。
「ちょっと待ってくれ」
紀崎が担当官をさえぎった。おそらく、彼が、この三人の中で一番不安を感じているのに違いない。
「確認をしておきたいんだが、おれとチームを組むのは、この二人に間違いないんだろうな。失礼ながら、おれには非力なお姉さんと子供にしか見えないんだが」
担当官は、そんな彼の反応が理解できないかのようにさりげなくこたえた。
「なにも問題はない」
「問題ないだと?」
紀崎は声を荒げて立ち上がりかけた。が、すぐに思いとどまって着席した。
「いいだろう、つづけてくれ」
明らかに不満のある声音だ。オーパム人は地球人のどんな態度にもまったく動じない。それがわかっているから、不満があろうともここは自重したのだ。
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