第2章『南港』

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 ダイバーには、エリア・オーサカで使用する武器の所持・携帯が認められていた。エリア・オーサカ内でしか使うことはないが、ゆいりは護身用として持ち歩いていた。人間に向かって使ったことはないが、最小出力でものびてしまうだろう。うっかり使ったら死なせてしまうほど危険な武器だが、それ故エリア・オーサカ内では心強かった。  れみるは電撃銃を見つめ、おもむろに口を開いた。 「この銃だと射程距離はせいぜい二十五メートルぐらいね。かなり接近しないと致命傷は与えられない」  ヒュー、と口笛でも鳴らしたいところだ。やはりただの中学生ではない。 「接近戦は危険だから、もっと射程距離があって、かつ、強力な武器がいるわ。申請する?」と、れみる。 「うーん。でも使いこなせるかな。かなりの重さがあると思うよ。それに、最終的には地下で闘うわけだから、爆発系の武器ではこっちまで危ない」 「考えてみるわ」 「武器も大事だけど、互いの分担も大事よ。きちんと役割を決めておかないと、亜獣を倒すどころか逆襲を食らう」
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