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「はいはーい」
明るい返事が響いてきたかと思うと、奥の暗がりからパソコンを片手に持った女の子が俺の前に立った。そう。さっきの女性からすれば、明らかに女の子、だ。
見た感じ、まだ中学生。いや、正確に歳までは解らないけど、背もかなり低くて、座ったままの善之と立っている彼女の高さがあまり変わらない。
おかっぱよりはちょっと伸びた感じの頭の上に乗った顔くらいもある大きなピンクのリボン。これが余計に幼さに拍車を掛けていて。
その上、トンボのような大きな眼鏡の奥の目が反射で見えない。ニヤリと笑うと、歯だけが顔のパーツの中で異様に白くて目立つ。
「そうですねぇ……これなんかぁ、どうでしょぉ、リーダー?」
ゆっくりと、まったりと。間延びしたようにマイペースで話す彼女。
パソコンを引っくり返して画面を善之に向けて、首を少しだけ傾げる。
「ま、初心者に斡旋できるものなんて、こんなもんか……よし」
そう言いながらその背の低い子からパソコンを奪い取った善之は、俺に画面を向けた。
「いいか? よく聞け。今からお前はトレジャーハンターだ」
「トレジャーハンター?」
「ああ、そうだ。うーん……簡単に言やぁお宝探し、だな」
「俺に何かを探してこい、って事ですか?」
「おお、察しが早いじゃねぇか」
「で、何を探せと言うんです?」
「ここな。この画面のここ。よーく見てみ」
俺はそう言われて、パソコンの画面を覗き込んだ。
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