難イーテンサイー

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教官が講義室に入ってきて、ゾロゾロと俺達を外に誘導する。 やって来たのは、軽く千人は収容できるくらい広い実技訓練場、通称コロシアムだ。 コロシアムを十字に区切り、それぞれの区画で体術、剣術。そして屋外で射撃の試験が行われる。 俺は体術からだ。 この試験では、過去二回の成績の下同じくらいの実力の奴と戦うように相手が組まれている。 さっそく、対戦表を見た……のだが。 「教官」 「何だ?」 「俺の相手、書いてないんだが」 そう、普通は自分の名前の隣に相手の名前があるのだが、俺のはなにも書いてない、空欄になっていた。 「ああ、シグレ。お前には上級生と戦ってもらうことになった」 「はぁ?」 「お前は今期生でも群を抜いているからな。お前と同レベルとなると、上にしかいなかったんだ」 いや、まあ、普通に圧勝してたけども。 一年の経験の違いと言うのはかなりのもので、例え周りより強かったとしても、そう軽々しく戦いを挑むことは出来ない。
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