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……まぁ、先輩の戦い方を学ぶのも悪くはない。
実際先輩たちがどのくらいの強さかって知らないし、いい機会だと割り切っておこう。
試験は始まり、レベルの低い同級生たちの戦いをあくび混じりに眺めていた。
「あ、そこは屈めば一発入れられるのに……」
男子生徒のスローなパンチを、飛び退いて避けた相手の生徒に向かってぼやいた。
どうしてこんなにやる気がないのだろうか?俺なら五分で全員殺れるぞ……
「シグレ、無闇にそんなことを言うな」
俺の隣に立つ教官に言われた。
「声に出てたか?」
「バッチリな」
どうして俺が教官とこんなに話しているかというと、俺は彼の秘密を、彼は俺の秘密を握っているからだ。
お互いにバラすつもりもない。現状、利害が一致しているし。
「さて、次はシグレの番だ」
「分かってる……で、肝心の相手がまだ見たいだが?」
「彼は忙しいんだ。何てったってココ最強……生徒会長様だからな」
最強?
その言葉に、俺の体はうずうずしてきた。
「教官……あんたには感謝してもしきれねぇが……期待は裏切るなよ」
「戦う前から興奮するな。彼の名前はリオレ・M・ステロイド、かなり手強いと思う」
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