難イーテンサイー

5/25
前へ
/274ページ
次へ
……まぁ、先輩の戦い方を学ぶのも悪くはない。 実際先輩たちがどのくらいの強さかって知らないし、いい機会だと割り切っておこう。 試験は始まり、レベルの低い同級生たちの戦いをあくび混じりに眺めていた。 「あ、そこは屈めば一発入れられるのに……」 男子生徒のスローなパンチを、飛び退いて避けた相手の生徒に向かってぼやいた。 どうしてこんなにやる気がないのだろうか?俺なら五分で全員殺れるぞ…… 「シグレ、無闇にそんなことを言うな」 俺の隣に立つ教官に言われた。 「声に出てたか?」 「バッチリな」 どうして俺が教官とこんなに話しているかというと、俺は彼の秘密を、彼は俺の秘密を握っているからだ。 お互いにバラすつもりもない。現状、利害が一致しているし。 「さて、次はシグレの番だ」 「分かってる……で、肝心の相手がまだ見たいだが?」 「彼は忙しいんだ。何てったってココ最強……生徒会長様だからな」 最強? その言葉に、俺の体はうずうずしてきた。 「教官……あんたには感謝してもしきれねぇが……期待は裏切るなよ」 「戦う前から興奮するな。彼の名前はリオレ・M・ステロイド、かなり手強いと思う」
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加