京都の病院 1

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「○○さん、○○さん、奥さまが見えられましたよ」 そう看護師さんが呼び掛けると、主人はゆっくりと目を開けた。 「じゃあ、私は奥さまが来られた事を先生に伝えて来ますね」 そう言って、部屋を出て行った。 「大丈夫?痛いとこ無い?」 「のの、ごめんな…」 か細い声で、謝る主人。身体を起こすの事も難しいみたいだった。 「来る時にフロントガラスのやこうが散乱しとる所があったけど、あそこで事故ったんやね。自分が突っ込んだの?」 そう聴くと 「うん、居眠って鉄骨積んだ大型トレーラの後に突っ込んだ。ぶつかる瞬間に目が覚めて、咄嗟にハンドル切ったお陰で助かった」 そう主人から聴き、自分の血の気が引いていくのが判った。
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