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のりおは筋太を睨んでいた。
筋太は睨まれていることには全く気づいていないようだった。
そんな状況を観客は額に汗をためながら、試合はまだかと、ウズウズしていた。
司会者は2人の状況がよく見える位置に座った。
それを見てから審判らしき男が蝶ネクタイを直しながらのりおと筋太がいる台の前に歩み寄っていった。
「両選手、準備はよろしいでしょうか?」
審判の男が2人を交互に見ながら聞いた。
のりおはコクリとうなずいた。
筋太はニヤリと笑いながらOKサインを出した。
審判はそれを見てから少しうなずき、右手を上げた。
「叩いて被ってジャンケン・ポン王者タイトルマッチ……はじめっ!!」
審判は右手を勢いよく下に下ろした。
その時、審判は台に右手の指を強打して、骨が曲がってしまった。
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