1人が本棚に入れています
本棚に追加
拓也への気持ちだけが大きくなる。
電話で話していると拓也は、良香に甘えたり、俺がお前を支えてやろーか?などと
優しい言葉を投げかける。絶妙なバランスで女心を揺さぶる。
でも
けして良香と会おうとは、しない…。
拓也は、どこか冷静な一面を持っていた。
バーチャルから出ているが、リアに程無く近くて遠い。
そんな距離感を保っていた。
良香の中で焦りが芽生えた。
同棲相手に冷めていた良香にとって次の相手を見つける手段は、バーチャルしかなかった。
数年前、同棲相手と知り合った。
出会い系サイトは、違う形となり存在していた。
良香は何時の間にか、リアで知り合う事に疲れ、簡単にリアルタイムで知り合えるバーチャルの世界での出会いしか考えられなくなっていた。
それが例え
どんな人物かわからなくても怖さはなかった。
当たり前の事の様に麻痺していた。
休日普通は出かけたり、お洒落をしたり、美味しい物を食べたりするが…
良香の場合は、家で一日中バーチャルの世界に入り込まなければ救われなかった。
次の相手を見つける為に…。
最初のコメントを投稿しよう!