眞柴

2/3
前へ
/28ページ
次へ
国家防衛教育法の施行により、一昨年2024年に東京都あきる野市に東都防衛学院が設立されたと知った俺は、迷わずそこへ進学を希望した。 サンジャスティスも言っていた。 「君はまず、強くなり、君を助け、守り、そして許すんだ。 そして、君の周りの人を」 防衛学院では銃の扱いも学ぶ。 もし国に何かあった時には、中高校生であっても身を守ったり、交戦することが出来る。ヒーローの真似事なんかじゃなく、本当に誰かを助けることだって出来るかもしれない。 東都防衛学院が俺の家から近かった。 と言っても全寮制なので、通学するわけじゃない。 眞柴なんかは北海道から上京してきて、長期休みの度に帰省している。 そう。眞柴。 1年の時に寮の屋上で初めて会った。 あいつが今にも飛び降りようとしていたところを、俺は必死で止めた。 眞柴は思いとどまってくれて、それ以来俺たちはつるむようになったんだが……。 眞柴を知っていくうちに、アレは自殺じゃなかったんじゃないかという気がしてきた。 というのも、眞柴は映画マニアだからだ。 映画でよく見るようなポーズを訓練時もするし、ペイント弾をイナバウアーみたいなポーズで避けようとして、そのまま後ろにひっくり返っていた。 恐らく映画の影響だろう。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加