Secret code

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 月曜日の放課後にしては珍しく、コンピュータ部の部室には二人以外に誰もいなかった。 「しかも奨学生なんですよね? 学費全額免除って、初めてらしいじゃないですか。どれだけ優秀だって話ですよ。かつイケメンって、天は二物を与えずって言うのに、その人は三物も四物も持ってそうですね。家もお金持ちそう。あ、なら奨学生になんかならないか。でも優秀なら……」  一人で勝手に話し続ける結衣は、たぶんその「転入生さん」と同じクラスの真帆よりも彼に詳しい。 人懐っこくてかわいい結衣の耳は、他学年の噂にも敏感だ。  真帆はそんな結衣に呆れつつ、自分に向けられた転入生の微笑みを思い出していた。
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