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「スライヤ!!早く行きなさい!遅刻するわよ!」
一階から響くおかんの声に俺は耳を塞いだ。
「っざけんなよー……学園になんざ瞬間魔法で0.5秒で着くっての」
あくびを一つし、ノロノロと制服に腕を通す。
俺はスライヤ。マホラダ学園に通う17歳だ。今はおかんと二人暮らし。おとんは死んだ。本当は姉貴が居るんだけど……気づいたら居なくなっていた。
「スライヤ!いい加減にしなさいよ!」
やべ、階段を上がる音がする……朝からおかんのバーニングを喰らったらそれこそたまったもんじゃねぇ。
俺はこっそり詠唱し、学園へと飛んだ。
「スライヤ!……居ない……朝御飯も食べずに良い度胸じゃない……帰ってきたらシバく……」
おかんの独り言は俺の耳には届かなかったが、寒気はした。
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