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. 「偉く早い登校ね。ラブレターは届いていないと思うけど?」 「なんで頭ん中クレモアとおんなじなんだよ。そんなに俺がこの時間にいるの珍しいか?」 「うん。だっていつも遅刻してくるもんね、天才君は」 若干トゲのある言い方だが……表情は穏やかだ。多分悪気はないのだろう。 あ、一つ補足をしようか。 この国、ミスタリア国では魔法を使うのが当たり前ではあるが、その魔法も人によって属性が異なっている。 大きく分けると『火系』『水系』『雷系』がある。最初はこの何れかに属することが多い。 そして、学園に入ると様々な魔法を学び、三種類の属性を扱えるようになったものを『紫』と呼ぶ。 更に『紫』になった後も、移動魔法や防御魔法などもろもろ極めると『白』、上位魔法まで極めたものを『黒』と呼ぶ。 ちなみに『紫』までは学園に居たら誰でもなれる。問題は『白』と『黒』。これは学園でもなかなか極められないからな。 ちなみに俺は『灰』。 『白』と『黒』の間。
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