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 二人とも、ダンスをしにくそうな格好をしている。  女の人は、深いスリットが入っているとはいえ比較的足にピッタリした丈の長いスカートだったし、メガネの人に至っては足が不自由だ。  それでも、お祭りの雰囲気だけでも楽しみに来たのだろうか。そうでなければ、こんな所を通りかかる理由が思いつかない。  カップルと言うには、少し年が離れて見えるけれど。  よく見ると、メガネの男の人はお父さんより年上に見える。女の人は、アルドネの人のようだったからはっきりとは言えないけれど、ルーフィアさまと同じくらいのような気がした。きっと二人は十歳以上年が離れているだろう。  けれど、不思議ではないのかもしれない。  確か二代目の月読みさまと奥さまは、十五歳くらい年が離れていたはず。それだって、離れられないほど仲良しだったのだから。  私が穴があくほど見すぎたせいか、メガネの人はちょっと苦笑いした。 「お祭りの日だからって、こんなひとけのない所に子どもだけで来てはいけないよ。大人ですら、危ないんだから」  その視線が、倒れている男の人に向いた。 「一番悪いのは、悪事を働く大人だけれど」  ぽつりと呟くと、メガネの人は、よいしょ、と立ち上がった。腰に巻いていた紐を抜き取り、男の人に近づく。手足を縛っておこうというらしい。  私も行って手伝った。 「私にも、同じくらいの女の子がいるんだよ」
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