第二巻 よもあらじ

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「しかるに、そなた、 何ぞさる恰好あり給ふ?」 先程の晴明の言葉は 撫子にはこのように 聞こえていた。 平安の人達から取ってしてみれば 普通に話しているだけなのであるが、如何せん平成の現代にいた撫子にとっては あくまで古語でしかないのだ。 ちなみにー 神様(僕ら)の力なら この程度の言語の問題など 造作もない訳だけどー 平井先生が願っている為、 僕はあまり手出しはしないかな… 当人曰く 「だって、 ちゃんと古典の勉強も身を持ってしてもらわないとね」 らしい。 この時僕は 語尾に♪が付いているのではないか、と思わされた。 平井先生はドSです。 というか全国の先生達は皆、ドSです。 …こればかりは少々 撫子に同情する。 ま、 やっぱり少しくらいは 手助けしても許してくれるよね。 僕は撫子の前に姿を現した。
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