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まだ春先の新鮮な香りが
ほのかに漂うあたたかい日。
昼休みも
終わりに近づいていた。
そんな時。
「うぅー。」
撫子は酷くうなっていた。
「どうしたのよ撫子?」
「かーすーみぃー」
そんな撫子の様子を見て
かすみ、もとい高橋香純が撫子に対応する。
「次の授業
サーボーりーたーいー!!」
机に突っ伏す
撫子は放っておいて。
「次の授業…
あぁ、
ホント嫌いだね撫子。」
予定を確認し
撫子の態度に納得する香純。
「でもダーメ!
単位もらえないよ?」
そう。
高校は義務教育の中学とは違い
単位制なのだ。
単位が貰えない=進級できない。
従って安易にサボることは
許されない。
不便だと思いません?
“単位”
という言葉を聞いて
おとなしくなる撫子…
かと思いきや、
「現代人がどうして
今使われてもいないのに
古典なんて勉強しなきゃ
いけないのよ!」
と、誰に、という訳ではないが
キレている。
しかし香純は至って冷静だ。
「はいはい。
そのセリフは聞き飽きましたよ。」
どうやらこの会話は
日常茶飯事らしい。
そうこうしていると、授業の開始を告げるチャイムが鳴る。
「授業始めるよー。
みんな席に着いてー」
古典担当の平井先生が入ってきた
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