第一巻 不意にありくべからず

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「相変わらずの 記憶力の無さだね」 そこに香純が入ってくる。 「香純!」 「高橋さん」 驚く各々。 「相変わらず記憶力無いねー 撫子は。」 「同じ事二度も言わないでよ!」 撫子は膨れっ面をする。 「事実でしょ?」 「うわ~!平ちゃーん!!」 平井先生に寄り添う撫子。 「よしよし。」 撫子の頭を撫でる平井先生。 すると、思い立ったように、 「ところであなた達、 次の授業は情報じゃなかった?」 と、平井先生は言う。 「あ、そうだ!! パソコン室に移動しなきゃ!!」 気が付けば教室に残っているのは 撫子達のみ。 「平ちゃん、じゃあね!!」 撫子が先生に言う。 「あと5分もないから 遅れないように行きなさいよ」 さすが先生。 そこは教育者の立場として 注意をする。 「「はーい」」 それにハモッて答える 撫子と香純。 と、予鈴が鳴る。 「ヤバい!急ぐよ撫子」 「うん!」 二人は急ぎ足で パソコン室に向かった。 そんな二人の後ろ姿を ほほ笑ましそうに 見ている平井先生。 「さて、」 何やら意味ありげに 平井先生は呟いた。
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