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しかし、この刀は壊れてくれなかった。 それどころか、何かを斬れば斬る程、美しさも鋭さも増すばかりで。 『形あるものは』 ごめん、父さん。 呪われた刀に体の支配権を奪われたあの日から、ずっと。 『いつか』 父さんを殺してしまったあの日から、ずっと。 「壊れる」 僕の精神は理性は心は、崩壊寸前だったんだ。 「もう、無理なんだよ」 どうやら、形のないモノが先に壊れちゃったみたいで。 ごめん、父さん。 ごめん、皆さん。
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