3話

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銀八「え~、では。今朝のHRの議題に入る」 銀八はくわえタバコの煙に目を細目ながら言うと、クルリと振り返ってチョークを手に取った。 ゴンゴンと音を立てながら、アンニュイな文字が黒板に記されていく。 “休みテスト” と書いて、銀八は生徒たちに向き直った。 銀八「が、ある。来週からな~。この休み明けテストで、お前ら1科目でもいいから80点以上取るように。じゃねーと、再来週以降、俺の授業、全部マラソンにするから」 エエ――!! っとクラス中がどよめいた。 銀八「以上」 といって、銀八はそのまま教室を出ていこうとする。 ?「ちょ、ちょっと先生!!」 メガネをはめた男の子が慌てて呼び止める。 ?「どういうことですか!何で80点以上取らなきゃいけないんですか!?」 銀八「そーだ、新八。じゃなきゃ、再来週以降、お前ら全員ランナーズハイな」 新八「いや、先生。国語の教師でしょ!なんで自分の授業をマラソンに出来るんですか!?」 確かにいくら国語から体育にされたら困る… まあ、私は体育は好きだから別にいいけど… 銀八「じゃ、マラソンしながら“万葉集”でも読んで貰おうかな」 流音『……え?走りながら“万葉集”って…』 それは難しいような、気がする… 新八「難度アップしてんじゃないすか!つーか、それどういうことなんですか!?」 ?「先生!“万葉集”じゃなくて“古今和歌集”にしてくれよ!」 一人の男子がそう言った。 え、ええぇぇ!!! ゴ、ゴリラ!!教室にゴリラがいるよ! 新八「どっちでもいいよ!て言うか、どっちも嫌だし!」 さっきから新八君だっけ? いいツッコミをしてるよ。 まぁ、それは置いといて。 転校早々にこんなこと言われたら、私だって納得いかないよ。 流音『あの…先生。私も納得いきません。その前に事情を説明してくれませんか?』 銀八「しょーがねぇなー、流音ちゃんがそこまで言うんだったら…」 銀八は頭をポリポリと掻いてから、教卓に戻った。 銀八「実はよ、今朝校長室に呼ばれてよ……脅されたんだ」 流音『え、脅された…?どういうことですか?』 銀八「流音ちゃんは知らねぇーと思うけど、俺らのクラス?超が付くほど馬鹿がいっぱいいて、平均点超えてねー奴らばっかりいるんだよね。だから、校長が…」
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