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銀八「え~、では。今朝のHRの議題に入る」
銀八はくわえタバコの煙に目を細目ながら言うと、クルリと振り返ってチョークを手に取った。
ゴンゴンと音を立てながら、アンニュイな文字が黒板に記されていく。
“休みテスト”
と書いて、銀八は生徒たちに向き直った。
銀八「が、ある。来週からな~。この休み明けテストで、お前ら1科目でもいいから80点以上取るように。じゃねーと、再来週以降、俺の授業、全部マラソンにするから」
エエ――!!
っとクラス中がどよめいた。
銀八「以上」
といって、銀八はそのまま教室を出ていこうとする。
?「ちょ、ちょっと先生!!」
メガネをはめた男の子が慌てて呼び止める。
?「どういうことですか!何で80点以上取らなきゃいけないんですか!?」
銀八「そーだ、新八。じゃなきゃ、再来週以降、お前ら全員ランナーズハイな」
新八「いや、先生。国語の教師でしょ!なんで自分の授業をマラソンに出来るんですか!?」
確かにいくら国語から体育にされたら困る…
まあ、私は体育は好きだから別にいいけど…
銀八「じゃ、マラソンしながら“万葉集”でも読んで貰おうかな」
流音『……え?走りながら“万葉集”って…』
それは難しいような、気がする…
新八「難度アップしてんじゃないすか!つーか、それどういうことなんですか!?」
?「先生!“万葉集”じゃなくて“古今和歌集”にしてくれよ!」
一人の男子がそう言った。
え、ええぇぇ!!!
ゴ、ゴリラ!!教室にゴリラがいるよ!
新八「どっちでもいいよ!て言うか、どっちも嫌だし!」
さっきから新八君だっけ?
いいツッコミをしてるよ。
まぁ、それは置いといて。
転校早々にこんなこと言われたら、私だって納得いかないよ。
流音『あの…先生。私も納得いきません。その前に事情を説明してくれませんか?』
銀八「しょーがねぇなー、流音ちゃんがそこまで言うんだったら…」
銀八は頭をポリポリと掻いてから、教卓に戻った。
銀八「実はよ、今朝校長室に呼ばれてよ……脅されたんだ」
流音『え、脅された…?どういうことですか?』
銀八「流音ちゃんは知らねぇーと思うけど、俺らのクラス?超が付くほど馬鹿がいっぱいいて、平均点超えてねー奴らばっかりいるんだよね。だから、校長が…」
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