退屈な世界

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即答だった。 迷いなく言い切った。 ルークは、だから困っているといった顔をしている。 ハルカはそれを見て一つ溜息を吐く。 しかしその顔には先ほどのような不安の色はなかった。 むしろ笑顔に近い表情を浮かべている。 ハルカ「それでこそルーね。」 微笑みを浮かべながら優しく言う。 安心した表情だ。 それを見たルークは溜息を吐く。 ルーク「問題解決どころか始まってすらいないのに何安堵の表情を浮かべてるんだよ。」 正しく正論だ。 ルークからしたらハルカの表情は軽率以外の何物でもないのだろう。 ハルカ「安心したからね。ルーがいつも通りで。私がしっかりしないと駄目だね、全く・・・。」 そう言いながらもどこか嬉しそうなハルカ。 今から国にこの領地を奪われるかもしれないという緊張感漂っているのに、このいつも通りの会話。 それがハルカには嬉しいのかもしれない。 ルーク「お前状況分かってんのかよ・・・。」 呆れた様子のルークが言う。 ハルカ「分かってるわよ。要はここに国の奴が来たら、そいつら叩きのめせばいいのよね?簡単じゃない。ああ、楽しくなってきたわね。やっぱり人生はこうでないとね。波乱万丈最高!平穏なんてつまらないわ。物語だってイベントが起こるからこそ面白いんだし。なら人生も同じようにイベントがなきゃ面白くないじゃない。せっかくの人生、つまらないよりかは面白い方がいいでしょう?」 卓袱台の前に立ち上がり、本当に楽しそうに語るハルカ。 満面の笑みだ。 心からの言葉だったのだろう。 人生そのものを面白さでみたしてしまえばその人生は充実したものになって、それが自分の人生と堂々と胸を張って言える。 そしてそれが他人とはかけ離れた面白みを求めたとしても、自己を貫く。 それがハルカの信念のなのだろう。 ルーク「俺は平穏の方がいいけどな。静かに安定して暮らせればいいんだよ。静かに生まれて、静かに生きて、静かに死ぬ。これでいいんだよ。」 そんなハルカとは正反対の意見のルーク。 先ほどと変わらない何かを考えている表情で言う。 人生なんて関係なく楽な方を選ぶ。 それで退屈になっても、それが自分の物語だと自己解釈をして済ます。 それがルークの生き方といったところだろう。 ハルカ「で、やっちゃってもいいの?」 ハルカが承諾の意を問う。 その目は揺らぐことなくルークを見つめている。
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