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しかしそんな時に驚愕する事が起きた。
この世界で比較的軍事力が高かった一つの国が跡形もなく破壊されたのだ。
元々その国があった場所には人や魔物の亡骸が散乱していて、とても一つの国があった場所には見えなかった。
すぐさま各国は何処の国によって破壊されたのかを調べた。
しかし、情報は何も出てこない、見つからない。
目撃者などがいるはずがないので、わかるはずがない。
しかし何もかもが謎で凶悪な何かしらにより、次々に国々は破壊されていった。
各国は、次は自分たちの国かもしれないと恐れだした。
だがしかし戦争が終わる事はない。
奴らには、戦争を終わらせるという選択肢はないのかもしれない。
次々と国が破壊されていく中で、一つの国の兵士が見てしまった。
幾つもの国々を破壊してきた者の姿を。
それは自分の身の丈以上の剣を軽々と振るう黒髪の少女だった。
その少女は剣の技術も魔法の技術も敵う者はいないと一目見てわかるほどの腕だったという。
それを見た人は、少女が破壊している国に攻めに行き、その際に目撃したらしい。
この事を国に知らせないとならないと思ったその隊の隊長は、隊員の1人を国に知らせる様に命令し、それ以外の隊員と共に少女に向かい、駆けていった。
しかし、その隊員は知らせは行かずに自分の隊の姿を隠れながら見ていた。
しかし、その選択が間違いだった。
次の瞬間、少女による殺戮の宴が開かれた。
隊員は皆殺しにされ、隊長は1人でも、少女の息の根を止めるため走る。
しかし、隊長と同じように上半身と下半身の繋がりを断たれた。
そこには、ついさっきまで話していた仲間の亡骸が散乱していた。
そこで少女は小さく呟いた。
「つまらない。退屈。もっともっと楽しい事はないかな。退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈・・・・・・・・・・・・」
少女は退屈と呟き続ける。
その光景を見てしまった隊員は嗚咽もなく、ただただ呆然と涙を流していた。
そして隊員は思った。
あの少女は狂っている。
隊員は、仲間を皆殺しにした少女を今にでも殺したかったが、隊長に言われた命令を思い出した。
隊員は走った。
自分達の国の為に。
死んでしまった仲間の為に。
そしていつの日か、仲間を皆殺しにしたあの狂った少女を殺す為に。
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