退屈凌ぎの仕事

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黒髪の女性は、ルークのことを"ルー"と呼び、彼女は自分自身の怒りを静かに彼に向ける。 ルーク「仕事ですよ、ハルカ。」 彼は、黒髪の女性からの怒りを無視し、用件だけを簡単に伝える。 ハルカ「ん?あー、仕事?ちょいまち、ちょいまち。」 そう言い、黒髪の女性・・・ハルカは自分の部屋に戻り、戸を閉める。 きっと服を着るためだろう。 そして少し経ち、ハルカが部屋から出てくる。 その服装は、どこかの学校の制服のような服装だった。 黒のブレザーに紺のスカート、ブレザーの中には白いYシャツのようなものが見える。 さらに、黒のハイソックスを履いている。 あと身に着けているのは、手首につけている大きめの腕輪ぐらいである。 ハルカ「はいはい、仕事ね、仕事。ちょうど暇してたところだったからさ、凄くいいタイミングだよ。」 ハルカは、依頼をしに来た女性に向かって言う。 さっきまでルークに向けていた怒りもまるでなかったかのような、いかにも上機嫌ですと言った声色だった。 ルーク「お客さんの前ぐらいは、敬語で話してください。礼儀というものですよ。」 ルークは、ハルカの軽い言葉遣いを注意する。 しかし、言われた張本人は全く気にもせずに、部屋の中に女性を招き入れる。 女性は部屋に入って行き、ルークはやれやれといった表情で同様に部屋に入っていく。 入室した部屋は、普通の和風建築の居間だった。 部屋の一部箇所以外は綺麗に片づけてある。 そこは、部屋の隅で毛布や本が乱雑に置いてある。 きっと、ハルカはあそこで眠ろうとしていたのだろう。 部屋の中央にある卓袱台を中心に三人は座る。 ルークとハルカが隣に座り、その正面に依頼しに来た女性が座る形だ。 ハルカ「で?」 脈絡もなくハルカがたったの一言の質問をする。 「で?とは・・・?」 女性がそれの意味を確かめるために質問を返す。 ハルカ「質問を質問で返すのは関心せんよ。」 ドヤ顔をしながらハルカは質問を受け流す。 いかにも待ってましたと言わんばかりの早さで受け答えだった。 ハルカ「痛っ!」 その顔を見たルークが無言でハルカの頭を叩く。 なかなかのドヤ顔だったのでイラついたのかもしれない。
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