退屈凌ぎの仕事

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ハルカがルークの方を見る。 するとルークの表情は満面の笑み。 しかし手には部屋の隅に落ちていた分厚い本を手にしている。 それを、片手で持ち、もう片方の手のひらにポンポンっと軽く叩く。 それを見たハルカは観念したように話し始める。 ハルカ「はいはい、で何を頼みに来たの?」 女性はここに来た目的を話し始める。 ルークは、静かにノートを開きペンを右手で持つ。 「私がではないんですが、私の夫が魔法の研究をしているんです。それで、その研究がとあるところで止まっているらしいんです。その研究を進ませるにはとある魔術書が必要と夫が酔っていた時に溢していて・・・それでその魔術書を探してほしいんです。」 魔術書とは、古代に製作された魔法の事が書かれている本の事である。 魔法は、現在では一から新しい魔法を作ることは不可能と言われており、出来ても魔法の掛け合わせによるアレンジくらいである。 ルークは、簡単に依頼内容をノートにメモし、色々と考えているようだ。 ハルカ「で、その探してほしい魔術書の名前は?」 ハルカが当然の質問をする。 探す物の名称が分からなければ探そうにも方法がないのだから。 「ホノリウスの魔術書という物らしいんですが・・・」 ハルカ「ホノリウスってあの降霊術の?」 ハルカは、ホノリウスの魔術書を知っているらしく、女性に質問をする。 「えっと、多分」 女性は曖昧に答える。 当たり前だ。 本人が欲しがっているわけではないので、内容を知っているわけがない。 ハルカは立ち上がり、部屋の隅に落ちている本を取りに行く。 そしてその内の一冊を手に取り、女性に渡す。 ハルカ「はい、これがホノリウスの祈りの本。」 女性は、きょとんとしている。 部屋の隅に落ちてい本が、自分が欲していた本だとは誰も思わないだろうから、当たり前だが。 ハルカ「はい、依頼完遂。どうぞ、お引き取りください。」 ハルカは、きょとんとしている女性にここだけ敬語で話す。 その目からは、ほんの少しのやる気も消え失せていた。 ハルカ「んじゃ、寝るから。あとよろしく。」 部屋の隅にある毛布のところまで行き、そして服を脱ぎ毛布を被る。 ルークは、はぁ・・・っと一つ溜息を吐き、未だにきょとんとしている女性に帰るように促す。 女性はその言葉に、はっとする。
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