2.ご褒美

4/27
前へ
/330ページ
次へ
「虫の知らせ」・・・ 精神的に疲れていたり、起きたばかりで、まだ頭がボウッとなっている時に起こりやすく、 身の回りの人に不幸や危険が近づいている時に、 頭の中で、カチカチと音がするような・・又は鼓膜がボコボコと震えているような そんな感覚になる時がある。 死者や本人、守護霊が、危険を察知したり、死が近づくと、身近な人に知らせるために、 脳に直接メッセージを送る事があるという・・・ そういった現象に近い音のようなものが・・頭で鳴っている。 「お・・兄・・ん!」 え?これって、ひょっとして翔子ちゃん? 「聞・・る?・・ちゃん!」 「翔子ちゃん?!」 「う・・ん」 翔子ちゃんとは、その死に際で生霊として僕の前に姿を現わした。 その時は、声も聞くことができたけれど、あの世へ行ってからは、霊感ケータイを使わなければ会話はできなかった・・ 突然、翔子ちゃんの声が聞こえてくるのは・・いったい・・ 僕にも霊感があるのか? 「聞こえる?お兄ちゃん」 今度は、はっきりと聞くことができた。 意識を集中すると聞こえてくるようだ。 「うん!聞こえるよ・・」 「あのね・・今、念波を飛ばしてるの・・テレパシーみたいなものだって・・」 「テレパシー?」 超能力の一つに、テレパシーというのがある。 相手に伝えたいことを念じると、声に出さなくても伝わるという能力だ。 「私の、霊力も強くなったから、こういう事ができるようになったって!」 「そうか!翔子ちゃん、霊力が上がったんだ!・・」 「うん!厳しい特訓の成果よ!」 嬉しそうに答えている。 地獄で霊力を高める修行をしているということだったが、しばらく会わないうちに、レベルがあがったのだろうか? 僕に霊感が目覚めたのではなく、翔子ちゃんの方が、霊力の上昇とともに、能力が備わってきたようだ。
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加