2.ご褒美

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「今、念を飛ばす訓練してるんだ! 鬼教官が話す相手を見つけて来いって言ったから、 真っ先に、お兄ちゃんと話そうと思ったの」 「そうか・・・ここにいるんだ・・」 「うん。目の前に居るよ!」 霊感ケータイのスイッチを入れ、カメラを作動させる。 携帯電話の画面を見ながら、カメラのレンズを向けると、画面に翔子ちゃんの姿が映っている。 「久しぶりだね!」 「うん!この間も、ちょっと寄ったんだ!」 「メールが入ってたよ。」 「返信ありがとう。嬉しかった!」 くじけそうになったら、いつでも来ていいって書いておいた。だから来たのかな・・? 念波で会話ができるようになったら、もうメールも通話も必要がないのだろうか・・ 嬉しそうな翔子ちゃんの表情・・僕も嬉しい。 「それで、訓練を兼ねて、しばらく付き合って欲しいんだけど・・」 しばらく・・・ 明日は「彼女」とのデートだと言うのに、翔子ちゃん同伴だったら怒るだろうな~・・ 「明日は・・ちょっと・・・」 「ちょっと、って・・なに~?」 「あはは・・・」 笑ってごまかそうとしたが・・ 「私、地獄で大変な目に合ったんだよ! 慰めて欲しいって思って来たの・・・ 『くじけそうになったら、いつでも来て』ってメールに書いてあったじゃない!」 そ・・そうだった・・・・ 「あれは嘘だったの?~~」 カメラ越しに近づいてくる眉をしかめた翔子ちゃんの顔・・ ・・・カワイイ・・・ あ・・この期に及んで何を考えているんだ?僕は・・・・
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