隣の席

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「―――で、あるからして…」 入学式恒例の、校長先生の長い長い話が続いている。 私の名前は「中村 美優」 今私は緊張している。 はんぱなく! もうすぐ私は新入生代表として、前に出てあいさつをするのだ。 理由は簡単! 成績がいいから! この時ほど自分の成績を呪った事はないけど、自分を変えるチャンスだと前向きに考える事にした。 「やばい…緊張する…」 手のひらに人をかいて舐める私(w∀-;) 「新入生代表あいさつ。中村さんお願いします。」 キタ━(*д*)━!!!! 「は、はいぃ」 ゆっくりゆっくり前へ出る。 みんなが見てる… そう思うと頭がまっ白になってパニクってしました。 「ほほほ本日は、私達のた、ために」 クスクスと聞こえてくる笑い声。 また…だめだ。 涙が滲んで声が震える。 「頑張れ!!」 !? 会場がシンとなる。 声の先には――― 私と同じ新入生のバッチを付けた、男の子だった。 その男の子は、全員の注目の的になっている事に気づき顔を赤らめて俯く。 …だけどまたこっちを真っすぐに見て、少し微笑んだ。 今の…応援してくれたのかな… 「ありがとう!!」 今自分がどこにいるのかを忘れてしまっていた。 けど言わずにはいられなかった。 「本日は、私達のためにおこしいただき―――」 「では、新入生は教室に行ってください。」 終わった… 今更になって襲ってくる後悔。 何であんな事言ったんだろう… 絶対みんな変な人だと思ってるんだろうな… 出だしから大失敗だった。 ため息をつきながら新しい教室に入る。
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