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「あ、林田さん!あなたはあそこの席よ」
担任になった智美先生だ。
「わかりました。」
私の席は窓側の一番後ろ。
やったぁ後ろだ!
密かに喜んで席にすわる。
黒板には「入学おめでとう」の文字。
これから先の不安でどきどきしてきた、その時
「ねえ!!」
「わあっ」
隣の席の人が話しかけてきた。
顔を見ると
「あ…」
あいさつの時に応援してくれた男の子だった。
「ぷっ ははははっ」
急に笑い出す男の子。
???
私何かしたかなぁ?
「林田さんって面白いねぇ!」
「え…私が?」
面白いなんて言われた事ないのに。
不思議だったけど、少し、ほんの少しだけ 嬉しかった。
「あいさつうまかったよ」
「あ、ありがとう」
目を見て言えない。
こんな私を変えたかったのに…
これじゃ感じ悪い。
「俺の声、聞こえた!?」
「えっ? あぁ、聞こえた…よ」
「良かったぁー。俺、あんなにデカい声出しといて、本人気付いてなかったらショックだからさ」
「そうだね」
何なんだろうこの人。
「ホームルーム始めまーす」
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