(side・伊藤ちゃん)Ⅰ

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12月に面接に行ったお店は、 明るい店長と 優しそうなメガネの女性 (香さんですね)が居て、 雰囲気が とってもよかったから、 そこから採用通知が来た時は、 すごく嬉しかった。 仕事は、年が変わってから、 と言う事だったが、 12月中、 クリスマスパーティーの チケットを頂いて、 遊びにおいで、 と誘ってもらった。 パーティーに行ってみたら、 思ったよりも盛況で、 楽しかったし、 その時、 私は楽しい状況に 気づいてしまったのだ。 その日、 香さんはメガネを外していて、 いつもと全然違って見えた。 周りの皆も、 香さんの素顔は 初めてだったらしくて、 注目されていたんだけど、 その中でも、店長が 香さんに向ける視線が真剣で。 ああ、この店長、 香さんに片想いしてるんだ、 と気づいた。 でも、香さんは、 全く気づいてなくて、 それどころか、 周りの視線にも 気づいてないみたいで。 どうやら、 香さんて、自分の事、 分かってないみたい。 それって、 第三者から見たら、 面白い状況なのよね。 私は、 1月からの仕事場の お楽しみを見つけて、 ホクホクしながら 帰ったのは、 言うまでもない。 1月までに、 何が変化があったら、 楽しいんだけど、 と思いつつ、 私は年を越したのだった。
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